壁一面ホワイトボード化 完成編
試作によってホワイトボードシート+プラダンの組み合わせがベストマッチであることがわかったので、いよいよ壁一面をホワイトボードで埋め尽くす!
設計
ホワイトボードを組み立てるための部材を購入する前に、どんな部材がどれくらい必要になるのか把握するため、設計を行う。
まずはホワイドボード化する壁の寸法をメジャーで測定する。
次にプラダンが何枚必要か把握するために、図面上で壁にプラダンを(パズルのように)当てはめて、枚数の構成を検討する。
最後にプラダンをどうカットするのか、他にも何か加工が必要な部材があればどうするのかについて、方針を立てる。
使う工具類 |
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メジャー(2m) |
Excel(お絵かきできるツールならなんでも可) |
壁の寸法測定
メジャーを使って測るだけ。
リビングの一番広い壁をホワイトボード化するので、横幅はゆうに3mを超えている。
高さについては、実使用を考えると天井付近はいらないのだが、壁一面がホワイトボードで埋め尽くされているという見栄えも重要なので、できるだけ天井ギリギリまで伸ばすことにする。
プラダンの構成検討
先ほど測定した壁の寸法を元に、かんたんな図面を作成する。
そして図面上でプラダンをはめ込んでみて、何枚必要か調べてみる。
プラダンは試作の時にホームセンターで調査したとおり、1枚 910 x 1820 mmのサイズのものを使う。
図面は本格的なものである必要はないので、とりあえずExcelでお絵描きした。
図面を作ってみると、こんな感じになった。
①〜③はカットせず、そのまま使う。
④、⑤はカットして使う。
トータルで5枚必要になることがわかった。
⑤は何か棒のようなものをプラダンの空洞部分に差し込んで、①、②、③それぞれとドッキングさせる方針にした。
ということで適当な棒をあとで購入する部材リスト(後述)に追加。
さらにこれらのプラダンを壁に固定するための両面テープも部材リストに追加。
ホワイトボードシートの選定/構成検討
プラダンに貼り付けるホワイトボードシートは部材の選定から行う必要がある。 もちろん寸法の設計も行う。
試作で使ったマス目付きホワイトボードシート(788 x 1085 mm, 407円)をせっせと貼り合わせても良いのだが、できればマス目のない無地のものにしたいので、ネットで調べてみた。
セーラーどこでもシート http://www.sailor.co.jp/lineup/dokodemo-sheet/31-3500
これがまさに欲しかった無地のホワイトボードシートである。
安くて、しかも静電気で貼り付く!
600 mm x 20 mのロールになっているので、壁を埋め尽くすには十分な量である。
これだけあれば、細かく寸法を設計せずともふんだんに使えるし、失敗もできるので、わざわざホワイトボードシートの枚数を検討するための図面は作らず、作業しながら思いついたとおりの枚数構成で貼り付けていくことにする。
カットするプラダンの設計
設計というほどでもないが、以下の図面のように2枚のプラダンをカットすることにする。
また、以下の図面のようにドッキングするため、適当な棒を11本ほど用意する必要がある。
ドッキング用の棒はホームセンターで良さそうなものを探すことにする。
その他
試作編でも書いたように、ホワイトボードとしてマーカーで書いたり消したりできれば十分なので、今回はマグネット対応しない。
マグネットは個人的にはほぼ使わない上に、高コストかつホワイトボード重量大幅アップ(=壁への固定が難しくなる)というデメリットも無視できない。
ホワイトボードシートを貼り付ける土台をプラダンにしたので、何か紙を貼り付けたいのなら押しピンなどを使って穴を開けることもできる。
部材発注
設計が完了したので、部材を手配する。
プラダンはモノタロウで購入。
アイリスオーヤマ/PD-1894/1セット(5枚) 4,170円
ホワイトボードシートはLOHACOで購入。
セーラー万年筆 どこでもシート 1箱(25シート入) 3,066円
ドッキング用の棒はホームセンターで工作用の丸棒を購入。
φ5mm 工作用丸棒 5 x 900 mm 2本入り 183円
両面テープは同じくホームセンターで購入。
ナイスタック NW-25 25 mm x 10 m 386円
さらに、ホワイトボードシートを均一できれいにプラダンへ貼り付けられるように、壁紙を貼る時に空気だしやシワ伸ばしに使われている刷毛をホームセンターで購入。
アサヒペン おさえハケ 250 mm 689円
部材リストと価格をまとめると以下のようになった。
購入品 | 価格(円) |
---|---|
アイリスオーヤマ/PD-1894/1セット(5枚) | 4,170 |
セーラー万年筆 どこでもシート 1箱(25シート入) | 3,066 |
φ5 mm 工作用丸棒 5 x 900 mm 2本入り | 183 |
ナイスタック NW-25 25 mm x 10 m | 386 |
アサヒペン おさえハケ 250 mm | 689 |
部材費合計 | 8,494 |
ちなみにこの部材費だと、完成品なら1800 x 900 mmサイズの大型ホワイトボード(マグネット使用可)が買えるかどうかというギリギリのラインになる。
今回はマグネット非対応であるが、3275 x 2300 mm(エアコン部除く)のホワイトボードをこの値段で作ることができる。 これぞDIYの醍醐味である!
製作
以下の手順で作っていく。
step0. ホワイトボードシートをプラダンへ貼り付ける練習
step1. ドッキング用の棒加工
step2. プラダンのカット
step3. エアコン用リモコン台の取り外し
step4. プラダンのドッキング
step5. プラダンの微調整/カット
step6. プラダン裏への両面テープ貼り付け
step7. プラダンへのホワイトボードシート貼り付け
step8. 壁への貼り付け
使う工具類 |
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メジャー(2m) |
定規 |
カッターナイフ |
ボールペン |
工作マット |
おさえハケ |
step0. ホワイトボードシートをプラダンへ貼り付ける練習
試作ではホワイトボードシートとプラダンの間に空気が入って、ホワイトボードシートが波打ってしまったので、対策として購入したおさえハケを使って練習する。
また今回採用したホワイトボードシートは静電気でどこにでも貼りつくという触れ込みの商品であり、両面テープで固定する必要がないかもしれないので、それを実物で確認するという狙いもある。
が、、、実際に練習してみたところ、残念ながら今回購入したプラダンとホワイトボードシートの組み合わせがよくないらしく、見事にするりと剥がれ落ちてしまう。同じ極(プラスとプラス、またはマイナスとマイナス)に帯電してしまうのだろう。
仕方がないので、プラダンとホワイトボードシートを両面テープで固定することにした。実際に両面テープで貼り付けてみると、両面テープによる段差は全く気にならなかった。
肝心の貼り付け練習は、おさえハケを使うコツが掴めたのでOK。行ったり来たりして往復させるのではなく、一方向に流すようにおさえていくのがポイント。
step1. ドッキング用の棒加工
買ってきた工作用の丸棒そのままだと、プラダンの空洞の部分に入らないので加工する必要がある。
まずカッターナイフで適当な長さにカットする。
そして、カットした棒の両端を細くするように、鉛筆を削るように、もしくはごぼうをささがきするようにして削っていく。
参考|ごぼうのささがきの仕方
https://cookpad.com/cooking_basics/9808
ちょっと分かりにくいが、両端がプラダンの空洞部分に入るくらいに細くなった。
棒の中央付近はあえて削らなかった。 ちょっときつめにプラダンの空洞に差し込んでドッキングした状態で固定されるようにするため。
step2. プラダンのカット
プラダンに直接ボールペンで線を引いてから、カッターナイフでカットしていった。
サクサク簡単にカットできる。 床で作業したので、下に工作マットを引いてカットした。
2枚のプラダンを設計の通りにカットして完了。
step3. エアコン用リモコン台の取り外し
順番はいつでも良いが、壁に付いているエアコン用のリモコン台を取り外す。
ドライバーでネジを2つ外せばいいだけ。
step4. プラダンのドッキング
step1.で作ったドッキング用の棒とプラダンをこんな感じで配置して、棒をプラダンの空洞に差し込んでいく。
ドッキング後はこんな感じになった。少し盛り上がっているが、プラダンがしっかり固定された。
step5. プラダンの微調整/カット
ドッキングして一枚の大きなプラダンができたので、壁に合わせてみたところ、高さ方向に対して若干大きかった。 微調整のため、カッターで1 cmほどカットした。
step6. プラダン裏への両面テープ貼り付け
ホワイトボードシートは静電気でゴミが付いてしまうので、できれば床に置きたくない。 なので、ホワイトボードシートを貼り付ける前に、壁へ固定するための両面テープをプラダンへ貼り付ける。
特にプラダンの裏表は気にする必要がなかった。 上下3箇所ずつに加え、横も左右2箇所ずつ貼り付けた。
この後、ホワイトボードシートを貼り付ける作業をするので、テープはまだ剥がさない。
step7. プラダンへのホワイトボードシート貼り付け
いよいよホワイトボードシートの貼り付けである。
ホワイトボードシートは料理に使うラップのようにロール状に巻かれているので、プラダンの上で引き出しながら広げていく。
広げた後はシワができているので、おさえハケを使ってシワを取っていく。
ホワイトボードシートはロールから引き出した時に強い静電気が発生しているらしく、step0.で試した時よりは少しプラダンに貼り付いているような感じもあった。
シワ伸ばしは結構キリがない作業のように思えたが、とにかく端から一方向に向かってハケで伸ばしていると、徐々に綺麗にシワが取れていった。
とりあえず半分貼り付けたところ。まだ若干シワが残っているが、かなり綺麗になってきた。
ある程度綺麗になってきたら、端の部分をめくって両面テープをつける。
他のところは静電気で貼り付いているので、このくらいめくってもシワが出てくることはなかった。
step0.で試してみた時よりもホワイトボードシートの面積が格段に大きいことも影響しているのか、静電気による固定の力がそこそこ強かったので、両面テープは四隅に貼れば十分だった。
残りの半分は最初に軽くシワ伸ばしをしてから、プラダンからはみ出る余分なホワイトボードシートをカッターナイフで切り取った。 そして、さらにシワ伸ばし。両面テープ貼り付け。
だんだん慣れてくると、早く綺麗にできるようになった。
無事4枚のプラダンへホワイトボードシートの貼り付け作業が完了。
立てかけるとプラダンがしなってしまうので、シワがひどい(笑)
これも後ほど立てた状態でシワ伸ばしする。
step8. 壁への貼り付け
step6.で貼り付けた両面テープのフィルムを剥がして、壁へ貼り付けていく。
この作業を一人でできるところがプラダンを選んだことの最大のメリット。
サイズは大きいが、軽いのでおさえていれば作業中に倒れてきて困るということがない。
壁に立てかけて、両面テープのある箇所を順番に壁に押し付けて貼っていく。
そしてついに完成!!
貼り付けた後もおさえハケを使ってシワ伸ばしをすると、思っていた以上に綺麗に仕上がった!
まとめ
低コストで、特殊な道具や部材を使わずに壁一面をホワイトボードで埋め尽くすことができた。
思い切って自作してみてよかったなと思うほど、実物を前にすると大満足である。
最も大変だったのは、ホワイトボードシートのシワ伸ばし。
これはやっているうちに慣れて上手になってきたので、時間があれば最初の方に作ったものをやり直したい(笑)
とにかくハケのようなシワ伸ばし道具がないと綺麗にできないので、試してみたい人は必ず用意することをオススメする。
余談
その1
プラダンはホームセンターでも買えたのだが、車に入らなかったのでネットで買うことにした。
運送屋さんがプラダンを持ってきた時にすごくニヤニヤしてたので、ひょっとしたら自分も同業者だと思われたのかもしれない(引越し作業とかによく使われるものなので)。
その2
プラダンを両面テープで壁へ固定するのは、少しためらいがあった。
なぜなら試作でかなり強く押し込んで貼り付けたら、剥がす時に壁紙表面のボコボコした部分まで剥がれてしまったから。
ただ全く同じ柄の壁紙のための修理セットがホームセンターに売っていたので、撤去する時に修理すればいいやという結論になった。
というわけで、撤去編(壁紙修理)もいつの日か書くことになるだろう。
その3
両面テープで壁に貼り付けるなら、ドッキングは必要なかったかも(笑)